派遣事業更新の実務フロー完全ガイド|申請から認可までの流れと準備ステップ
派遣事業の許可は3年ごとに更新が必要です。
更新申請を適切に行わなければ、事業の継続自体ができなくなるため、更新の流れを正しく理解し、余裕を持って準備することが極めて重要です。
この記事では、派遣事業更新の実務フローを時系列で整理し、必要書類・つまずきやすいポイント・不許可対応まで徹底的に解説します。
派遣事業更新の全体像(6か月前からの逆算計画)
更新申請は「直前に書類を集めればよい」と考えられがちですが、実際には半年前からの逆算計画が必要です。
6か月前
- 資産要件を確認(基準資産額2,000万円、現金預金1,500万円)
- 責任者が常勤配置されているか点検
- 講習修了証の有無を確認
3か月前
- 帳簿(管理台帳・契約書・賃金台帳)の整備状況を確認
- 改善点を修正、必要なら増資・借入で資産補強
- 教育訓練記録や体制図を整理
1か月前
- 残高証明を取得
- 申請に必要な書類を揃える
- チェックリストで最終確認
申請〜認可まで
- 労働局へ書類提出
- 書類審査(補足資料の提出を求められる場合あり)
- 問題がなければ認可通知
更新に必要な主要書類
派遣事業更新の申請に必要な書類は多岐にわたります。
- 決算書(貸借対照表・損益計算書)
- 銀行残高証明
- 派遣元責任者講習修了証
- 派遣元管理台帳
- 契約書(派遣先との契約)
- 勤怠簿・賃金台帳
- 教育訓練記録
- 組織体制図・職務分掌表
これらは単なる形式だけでなく、内容の整合性が重要です。
よくあるつまずきポイントと対策
資産要件不足
- 決算で基準を満たしていない
- 残高証明時に現金預金が不足
👉 解決策:増資・借入・中間決算・AUP報告書で補強
👉 関連:資産要件不足時の対応とAUP活用
責任者退職
- 更新直前に責任者が退職し、常勤配置が崩れる
👉 解決策:代替責任者を速やかに配置し、講習受講を確保
👉 関連:責任者退職時の対応
帳簿不備
- 管理台帳に記載漏れ
- 契約・勤怠・賃金が突合できない
- 保存期間未達
👉 解決策:帳簿チェックリストで事前点検
👉 関連:帳簿整備の実務チェックリスト
不許可・差し戻し時の流れ
更新申請をしても、不許可や差し戻しになることがあります。
不許可になった場合
- 不許可通知を受領
- 不足要件を改善(資産・責任者・帳簿など)
- 証拠資料を揃えて再申請
👉 関連:不許可後の再申請とリカバリー対応
差し戻しになった場合
- 指摘された書類の修正
- 再提出で対応可能
👉 関連:派遣事業更新の差し戻し対応マニュアル
更新成功のための横断チェック
派遣事業更新の成功には、4つの要件を横断的に点検することが不可欠です。
- 資産要件 ⇔ 賃金台帳(支払能力の裏付け)
- 責任者要件 ⇔ 帳簿整備(監督体制の実効性)
- 帳簿整備 ⇔ スケジュール(余裕ある準備)
👉 関連:派遣事業更新FAQ集
まとめ:流れを押さえれば更新は怖くない
派遣事業更新は、複数の要件が重なり合うため難しく感じられます。
しかし、6か月前からの逆算計画で準備を進め、チェックリストを用いて横断的に点検すれば、不許可リスクは大幅に減らせます。
- 資産要件を満たす
- 責任者体制を整える
- 帳簿を揃える
- スケジュールを逆算で管理する
全体の流れを理解し、一つずつ着実に準備を進めることで、更新は確実に成功へと近づきます。