派遣事業更新で失敗しない資産計画|預金残高・増資・借入の具体的対策
資産計画が派遣事業更新の合否を左右する
派遣事業更新で最も多く寄せられる相談は「資産要件を満たせるかどうか」です。
基準資産額2,000万円以上、現金・預金1,500万円以上が求められ、これを満たせなければ更新は不許可になります。
この記事では、預金残高の確保・増資・借入・AUP報告書の活用という実務的な対策を整理し、失敗しない資産計画の立て方を解説します。
資産要件の基本
- 基準資産額:2,000万円以上
- 現金・預金:1,500万円以上
- 債務超過でないこと
- 決算書と銀行残高証明の整合性
👉 詳細:派遣事業更新に必要な資産要件
預金残高の確保方法
- 決算時に確保
決算日で資産要件を満たすのが基本。
例:25年3月末で15百万円以上確保。 - 中間決算の活用
決算で不足しても、中間決算を行い残高を示すことで補強可能。 - 残高証明のタイミング
更新直前に取得する残高証明で不足が発覚すると手遅れ。早めの確認が必須。
増資による対応
資産不足時に有効なのが増資です。
- 親会社・経営陣による出資で資本金を増加
- 増資の事実を証明できる書類(登記事項証明書など)を添付
- タイミングは更新申請前に完了しておくことが重要
👉 関連:派遣事業更新で資産要件不足のときの対応
借入による対応
短期借入も資産補強の手段となります。
- 銀行融資や親会社からの借入
- 借入金は負債となるが、預金残高の増加で現金基準を満たせる
- 返済計画と審査上の説明責任が伴う
👉 関連:赤字決算でも派遣事業更新はできる?
AUP報告書の活用
資産要件を満たさない場合でも、AUP(合意された手続実施結果報告書)で補強できる可能性があります。
- 会計士が資産状況を確認・報告
- 不足分を補足説明し、審査側に理解を求める
- ただし必ず認められるわけではなく、準備の慎重さが必要
不許可リスクを避ける資産計画の実践例
ケース1:資産ギリギリの場合
- 月末残高を確実に確保
- 証明取得前に送金を止めるなど資金繰り調整
ケース2:赤字決算の場合
- 自己資本を基準以上に保てば更新可能
- 増資・借入を組み合わせて補強
ケース3:資産不足の場合
- 中間決算で再確認
- 増資・借入・AUPを併用
まとめ:資産計画は半年以上前から始めよう
派遣事業更新の資産計画は「直前の帳尻合わせ」では間に合いません。
半年以上前から準備を始め、預金残高・増資・借入・AUP活用の選択肢を確保しておくことが重要です。
不許可リスクを避ける最大のポイントは、早期確認と余裕ある資産計画です。