派遣事業の許可更新に必要な要件とは?
労働者派遣事業の許可は5年間有効です。
更新を行わなければ許可が失効し、派遣事業を継続できなくなります。
では、更新の際にはどのような要件を満たさなければならないのでしょうか。この記事では更新時に確認される要件を整理して解説します。
更新で確認される主な要件
更新時には、新規許可と同様の要件が審査されます。
- 資産要件: 基準資産額2,000万円以上、現金・預金1,500万円以上、負債超過でないこと → 資産要件の詳細
- 事務所要件: 独立区画で、プライバシーを確保できる面談スペースがあること
- 体制要件: 派遣元責任者を常勤で配置し、講習を修了していること
- 法令遵守要件: 帳簿の整備や労働関係法令違反がないこと
更新では特に資産要件と帳簿整備が厳しくチェックされます。
資産要件
更新時の資産要件は次の通りです。
- 基準資産額が2,000万円以上あること
- 現金・預金が1,500万円以上あること
- 負債超過に陥っていないこと
赤字決算であっても、これらを満たしていれば更新可能です。
不足している場合は赤字時の対応策も確認しましょう。
事務所要件
事務所については、新規時と同じ基準が求められます。
- 独立区画を持ち、他社と区分されていること
- 派遣労働者との面談スペースを設けていること
- バーチャルオフィスではないこと
オフィス移転やレイアウト変更をした場合は、要件を満たしているか必ず確認しましょう。
体制要件
派遣元責任者の配置が必須です。
- 派遣元責任者講習を修了していること
- 常勤で勤務していること
- 責任者が退職した場合は速やかに補充されていること
責任者不在は更新不可につながります。
法令遵守要件
更新では、過去5年間の法令遵守状況も確認されます。
- 労働基準法違反がないか
- 職業安定法違反がないか
- 行政処分歴がないか
また、帳簿類(派遣元・派遣先管理台帳、契約書、賃金台帳など)が整備されているかどうかも重要な審査ポイントです。
詳しくは更新に必要な帳簿をご覧ください。
更新に必要な書類
代表的な必要書類は以下です。
- 更新許可申請書
- 直近の決算書(貸借対照表・損益計算書)
- 資産証明(残高証明など)
- 事務所図面・賃貸借契約書
- 派遣元責任者講習修了証
- 帳簿整備状況の報告
書類不備は差し戻しの原因となるため注意しましょう。
更新にかかる費用
更新には以下の費用が必要です。
- 登録免許税:9万円
- 専門家依頼費用(行政書士・社労士など):10〜30万円(任意)
- 資産改善や事務所整備にかかる費用(必要に応じて)
費用の詳細は更新費用ページをご覧ください。
よくある不備
更新申請で多い不備は次の通りです。
- 資産要件を満たしていない
- 派遣元責任者が不在
- 帳簿整備が不十分
- 事務所要件が満たされていない
これらがあると更新が不許可になるリスクが高まります。
更新準備のタイミング
更新申請は満了日の6か月前から可能です。
資産状況や体制を確認し、不足があれば早めに改善を行いましょう。
更新準備は最低でも半年前には始めるのが理想です。
まとめ:派遣事業の更新は新規と同じ要件を満たす必要がある
派遣事業の更新では、新規と同じ基準で資産・事務所・体制要件が審査されます。
赤字であっても資産要件を満たしていれば更新可能ですが、不足があれば改善が必要です。
余裕を持って準備を進め、確実に更新を完了させましょう。