派遣事業の更新とは?
労働者派遣事業の許可は5年間有効です。
事業を継続するには、有効期間が満了する前に更新申請を行う必要があります。
更新は単なる「延長」ではなく、新規申請と同じ要件が再度審査される点に注意が必要です。この記事では派遣事業更新の全体像を整理し、資産・帳簿・責任者など重要な審査ポイントを解説します。
更新の基本ルール
- 有効期間は5年
- 更新申請は満了日の6か月前から可能
- 期限を過ぎると許可は自動失効し、新規申請が必要になる
更新を忘れると無許可営業となり、重大な法令違反となるため注意が必要です。
更新に必要な主な要件
更新では以下の要件が審査されます。
- 資産要件: 基準資産額2,000万円以上、現金・預金1,500万円以上、債務超過でないこと → 資産要件の詳細
- 帳簿整備: 派遣元・派遣先管理台帳、契約書、賃金台帳などが正しく保存されていること → 必要帳簿
- 責任者: 派遣元責任者が常勤配置され、講習修了していること
- 法令遵守: 労働基準法・職業安定法違反など重大な違反歴がないこと
これらは「新規申請と同じ基準」で確認されます。
更新に必要な書類
代表的な書類は次の通りです。
- 派遣事業更新申請書
- 直近の決算書(貸借対照表・損益計算書)
- 残高証明書
- 登記事項証明書・定款
- 事務所図面・賃貸借契約書
- 派遣元責任者講習修了証
- 帳簿類(台帳・契約書等)
不備があると差し戻しになるため、専門家に事前確認を依頼するケースも多いです。
関連記事:派遣事業更新で必要な帳簿まとめ
更新の流れ
更新申請の手続きは以下のステップで進めます。
- 満了日の確認(5年後)
- 半年前から準備開始
- 資産要件・帳簿・責任者を確認
- 必要書類を収集
- 労働局へ事前相談
- 更新申請書提出
- 審査(1〜2か月)
- 更新許可証の交付
余裕を持って半年前から逆算して準備を始めるのが安全です。
関連記事:派遣事業更新に必要な資産要件
更新にかかる費用
- 登録免許税:9万円
- 専門家への依頼費用(任意):10〜30万円程度
- 資産改善や帳簿整備に伴う費用
詳しくは更新費用の詳細をご覧ください。
更新が認められない典型例
- 資産要件を欠いている(自己資本不足、預金不足)
- 派遣元責任者が退職して不在
- 帳簿整備が不十分
- 過去に法令違反があり改善されていない
これらは更新不許可の代表例です。特に資産要件と帳簿整備は最重要チェックポイントです。
関連記事:派遣事業更新の不許可事例と回避方法
赤字決算の扱い
「赤字だと更新できないのでは?」と心配される方もいますが、
赤字でも基準資産額と預金要件を満たしていれば更新は可能です。
ただし債務超過となると不許可となります。
詳しくは赤字時の更新対応をご覧ください。
まとめ:派遣事業更新は「新規と同じ審査」
派遣事業の更新では、新規許可と同じ基準が改めて審査されます。
資産・帳簿・責任者・法令遵守が揃っていなければ更新は認められません。
半年前から準備を開始し、要件を満たした状態で申請することが、更新成功の最大のポイントです。