
労働者派遣事業の許可更新において、最も恐ろしいシナリオ。それは「資産要件を満たせず、不許可(または更新断念)となること」です。
万が一、更新が認められなかった場合、会社はどのような運命をたどるのでしょうか。単に「許可がなくなる」だけでは済まされない、実務上の重い影響と、多くの経営者が検討する「請負(業務委託)への転換」に潜むリスクについて解説します。
1. 労働者派遣事業の「廃止」
更新期限までに資産要件(基準資産額2,000万円等)をクリアできず、他の解決策(増資や決算期変更など)も間に合わない場合、基本的には「労働者派遣事業廃止届出書」を提出することになります。
これは事実上の「派遣事業からの撤退」を意味します。
- 派遣契約の終了: 許可の有効期間満了日をもって、新たな派遣契約を結ぶことはできなくなります。
- 既存の派遣スタッフへの対応: 経過措置として、期間満了日前に結ばれた派遣契約については、その契約期間終了まで派遣を継続できる場合があります。しかし、契約更新はできません。
これまで築き上げてきた取引先との関係や、雇用している派遣スタッフの行き場を失うことになり、経営に甚大なダメージを与えます。
2. 「請負(業務委託)」への転換という選択肢
「派遣の許可が取れないなら、請負契約に切り替えればいい」
そう考える経営者は少なくありません。確かに、請負事業(業務委託)には資産要件のような厳しい財産的基礎要件はありません。しかし、この移行は極めて危険な落とし穴が存在します。
「偽装請負」のリスク
派遣と請負の最大の違いは、「誰が労働者に指揮命令をするか」です。
- 派遣: 派遣先(クライアント)が指揮命令する
- 請負: 請負元(自社)が指揮命令する
もし、契約書の名前だけを「請負」に変えて、実態は今まで通りクライアントがスタッフに指示を出している状態であれば、それは「偽装請負」という違法行為になります。
労働局の調査で偽装請負と認定されれば、事業停止命令や社名公表などの厳しい処分を受ける可能性があります。「資産要件から逃れるための安易な請負化」は、推奨できません。
3. 諦める前に「公認会計士」による判定を
「赤字だからもうダメだ」 「資産要件が足りないから廃業するしかない」
そう判断して廃止届を出す前に、一度立ち止まってください。
私たち公認会計士が財務諸表を精査し、合意された手続(AUP)を実施することで、「実は資産要件を満たせる要素」が見つかるケースがあります。
- 含み益のある資産の評価
- 負債の分類見直し(流動・固定の判定など)
- 関係会社間の債権債務の整理
これらを適正に処理することで、ギリギリで基準をクリアし、廃業を免れた事例も存在します。
自己判断での「廃業」は避けてください
更新が危ぶまれる状況であっても、専門家の視点が入ることで打開策が見えてくることがあります。
事業の存続と従業員の雇用を守るためにも、「更新できないかもしれない」と感じた時点で、速やかに公認会計士へご相談ください。廃止届を書くのは、あらゆる可能性を検証した後でも遅くはありません。
「ウチはAUPで安く済むの?それとも監査が必要?」と迷っている方へ
労働局への提出期限が迫っている場合、判断を誤ると更新できません。
公認会計士が「あなたの会社はAUPでOKか」を無料でお電話診断します。
📞 06-6330-6225(お急ぎの方はこちら)
受付時間 平日9時30分〜16時30分
諦める前に、まずは以下の解決策が自社に使えないかご確認ください。





